📖 今回のお話
68歳、年金ひとり暮らし。 夫を亡くして5年。 お金が減るのが怖くて、買い物ではいつも「安いほう」ばかり選んでいた。
スーパーでは見切り品のワゴンから買い物が始まる。 ちょっといいヨーグルトに手が伸びない。 水彩画教室のチラシは、その夜のうちにゴミ箱に入れた。
「わかっているんです。わかっているから余計にしんどいんです」
変わりたいのに、変われない。 そんなよし子を動かしたのは、ファミレスで友人がふと漏らした、たったひと言でした。
「ねえ、明日怪我して出られなくなるかもしれないのよ。今食べたいものを食べなきゃ」
その日よし子が選んだのは、いつもより300円だけ高い、春限定のパスタ。 たった300円。されど300円。 その小さな選択が連れてきた景色は、彼女の想像を超えていました。
🔸 よし子の「たった600円」の内訳
① 春限定パスタの差額:300円 → いつもの日替わりランチ780円ではなく、桜えびと菜の花のペペロンチーノ
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